保証債務履行後の法律関係

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Q 求償とは何でしょうか

A 保証における求償権は、保証人が債務を弁済した場合、保証人が主債務者に対して持つ「返還請求権」のことをいいます。また、保証人が複数いる場合、他の保証人にも求償できる場合があります。
  仮に主債務者AがB銀行から1000万円を借りていたとし、そのAのB銀行に対する債務をCとDで保証していた場合において、Cが保証人として800万円をB銀行に弁済したとします。
  この場合、まずCは800万円全額を主債務者Aに対して求償できます。しかし、主債務者Aが弁済できないから代わりに保証人Cが弁済したのですから、求償権を行使してもAは支払能力がないでしょう。
  ではDに対してはどうでしょうか。連帯保証ではない普通の保証の場合は、原則として、頭数に応じて平等に負担部分につき責任を負いますので、他の保証人に対して支払った金額の半分である400万円を求償できます。
  連帯保証の場合は、原則として、自己の負担部分を越える額を支払った場合に、自己の負担部分を超える額を求償できます。この例であれば、Cの負担部分は1000万円の2分の1である500万円なので、800万円を支払えば500万円を超えた分300万円を求償できます。


Q 代位とは何でしょうか

A 保証人は保証債務を弁済すると、債権者の有していた権利を承継します。これを代位といいます。例えば、債権者が主債務の担保として抵当権を有していた場合、保証人は弁済により、その抵当権を実行することができるようになります。逆に、保証債務を弁済するよりも先に抵当権が実行された場合、抵当権設定者は債権者に代位して保証人に保証履行請求できます。例えば主債務者がA社で、保証人が経営者B、そしてBの親Cの不動産に抵当権を設定していた場合、抵当権が実行されてCが不動産を失えば、その金額の2分の1(保証人+物上保証人は、BとCの2名なので2分の1)について、Cは債権者に代位してBに対して保証履行請求できます。


Q 保証人が複数いる場合、他の保証人に分担を求めることができるのでしょうか

A AがB銀行から1000万円を借りて、それをCとDの2名が保証したとします。連帯保証ではない普通の保証であれば、CとDは1000万円の2分の1しか保証債務を負いません。CはBから1000万円支払うように請求されても、500万円しか支払い義務はありません。Bは同時にDに対しても支払いを請求しなければなりません。
  これが連帯保証の場合は、CはBから1000万円の支払いを請求されたら1000万円を弁済する義務があります。その場合、CはBに500万円を求償することができます。


Q 信用保証協会の保証がついている場合、私(保証人)と信用保証協会はどのような関係になるのでしょうか。

A 信用保証協会も当たり前ですが、法的には保証人です。したがって、A会社がB銀行から信用保証協会の保証付で1000万円を借り入れ、経営者Cが保証した場合、A会社の経営が立ち行かなくなり、信用保証協会が代位弁済した場合、信用保証協会はCに500万円しか求償できないようにも思えます。しかし、信用保証協会との契約で、信用保証協会が代位弁済した場合、信用保証協会は1000万円全額をCに求償できる特約が付いています。

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